がっこうぐらし!第1話「はじまり」 感想
脚本:海法紀光
絵コンテ/演出:安藤正臣
作画監督:飯野まこと/成川多加志
堤谷典子/市川美帆
がっこうぐらし!のイメージとして”日常系アニメの皮を被ったゾンビアニメ”、”難民殺しアニメ”などが挙がりますが、1話は特に”登場人物の可愛さ”、”ホラー要素”、及びその二つの要素のギャップを楽しめる回となっており、今回をアニメ全12話の中で一番面白い回に挙げる方も多いと思います。
ただ同時に「1話が面白いだけ」「2話以降は見なくていい」という意見も同時に聞きますがそんなことはありません。むしろ2話以降が本番なくらいです。”日常”と”ホラー”のギャップが面白いだけの作品ではないのです。
この話は2話以降にするとして、早速本題の感想に入ります。
テーマはこの3本
・自己紹介パートがよくできてるって話
・由紀ちゃんの見えてるもの
・”日常”と”ホラー”の隙間風
・自己紹介パートがよくできてるって話
「みんな、おはよう」
「お!おはよう」
「由紀先輩、おはようございます」
「おはよう、由紀ちゃん」
と、由紀ちゃんは快活、くるみちゃんは男勝りな性格、みーくんは礼儀正しい後輩キャラでりーさんは家庭系というのが一連のワンシーンで分かります。ついでに愛称も分かる親切設計ですね(最後のオチのためのフリとか言わない)
さらにそのあとの食事シーンも
由紀がみーくんをイジる→胡桃ちゃんがツッコむ→みーくんがいじける→りーさんが注意する(水を差す)
という一連のやりとりで登場人物4人がそれぞれ学園生活部内でどのような立ち位置にいるのかも分かりますね。
・由紀ちゃんの見えてるもの
今回は1話ということもあってこの作品がどんな物語なのかを見せる回なのですが、同時に由紀ちゃんが話の中心になる回、所謂”お当番回”でもあります。
ですから彼女の授業風景など1話全体を通して、”実際の風景”ではなくあくまで由紀ちゃんがどんなものを見ているのかを映しているわけです。そして同時にみーくんは今回その"実際の風景"を映す役割を担っています。
なので最後の教室のシーンでの”ネタばらし”があるわけですが、それは映すシーンの目線が由紀ちゃんからみーくんに変わったから、という演出がなされています。
そして今回の話の全容が分かるとみーくんの言動や仕草の違和感の正体も気づくことでしょう。
1話を見直したくなる仕掛けにもなってますね。
「みーくん緊張してない?」
「だから、由紀先輩に緊張する要素はありません」
と対比させるように同じ会話を繰り返したのも由紀ちゃんとみーくんの見えているものは違うという意図があるかもしれませんね。
次はみーくんの目線でもう一度見てみようというフックにもなってます。
実は最後のシーン以外もみーくんの目線で映るシーンが幾つかあるのですが、それは実際に視聴して見つけてください(これもフック)。
・”日常”と”ホラー”の隙間風
今回は”風”を使った演出が特徴的です。
ものすごく具体的に言うと、現実を表現する時に決まって風が吹くのです。
例えばこのシーン、由紀ちゃんたちが去った後に突然風が吹いてりーさんとくるみちゃんの明るい表情が一転憂いのある顔つきに変わり、"現実"に引き戻されます。
「あ、窓開いてる」
そしてこのシーン、りーさんとは対照的に由紀は風が吹いていることに気づいていないのです。
笑顔なのも対比になってますね。
前章で由紀には現実とは違う風景が見えているというのは語りましたが、この風の演出でも彼女には現実が見えていないという表現がなされています。
この章で語った風の演出についてはBlu-ray/DVD 1巻のブックレットで安藤監督も言及しているので気になる方は是非下のリンクからご購入を。
と、宣伝もできたところで今回はここまで。
次回は漢で乙女なくるみちゃん回だ!!
・オマケ
最終回まで観た後だから気づいたことなのですが、太郎丸がみーくんを嫌ってるシーンを何回も見せていたのは後の展開のフリだったのかもしれませんね...。
最後の最後に今回の1番の見どころ、貴重なメガネみーくんを投下しておしまい。
ほ、本当に貴重なんだからねぇぇ...。
P.S.Gレコの感想を書くためにブログを立ち上げたと言ったが、あれはウソだ(震え声)
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