ラプラすの空き間

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がっこうぐらし!原作第7巻 感想

 

がっこうぐらし!  (7) (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ)

 

 新年明けましておめでとうございます。今年も当ブログをよろしくお願いします。

と、成人式も過ぎたというのに今更ではありますが、中々更新できなかったもので今になってしまいました。すみません。5話の修正記事もしばらくかかりそうです。ごみん。

じゃあ今回は何の記事かというとタイトルにもある通り、今月12日についに発売された原作7巻についての感想、および考察です。ネタバレを多分に含んでいるので、まだ読んでない人はブラウザバック、もしくは購入推奨です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 今巻では主に聖イシドロス大学の内情と外の世界へ行く準備が描かれ、物語自体に大きな進展はありませんでしたね。

その分、不穏な伏線がこれでもかと貼られていましたが...。

なので今回はこの大学内の様子と、伏線について僕の個人的備忘録も兼ねてのまとめを感想にしたいと思います。

 

・自堕落同好会(穏健派)と武闘派

・ほん

・今後の展開のヒント

 

 

 

・自堕落同好会(穏健派)と武闘派

 

 第37話序盤、学園生活部はついに聖イシドロス大学に到着するのですが、突如謎の男(高上)がボウガンを発砲、さらに車で逃げても追いかけてくるなどとても交渉の余地などない。

かと思えばピンチの学園生活部を裏門に案内し、迎え入れたりもする。どうやら大学内の様子は複雑な様子。

そんな彼女たちを迎え入れた三人組のリーダー、出口桐子(トーコ)から

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大学内では主に「武闘派」と呼ばれる”規律第一”で動くグループが中心となって活動しており、トーコたちはその方針に従えないと、規則を設けず”ゆるく、楽しく”をモットーに掲げる「自堕落同好会」(穏健派)として分裂したことが語られます。

同好会設立の背景にある、ライフラインの整った環境でイベントを催したりするなどして楽しく生活していたという点は高校時代の学園生活部に近いですね。

代表兼企画者のトーコの立ち位置と髪型もどことなくゆきちゃんぽいですし、同好会は学園生活部に似たグループだと感じた方も多いのではと思います。

じゃあ同好会は大学版学園生活部かと言われると少し違くて、両者で決定的に異なる点が一つあります。それは武闘派の特徴でもある「規律の有無」です。

一見学園生活部も主にゆきちゃんの存在からゆるく無規則に生活していたように見えますが、高校では毎朝、事件前と同じように授業を受けて規則正しい生活をしており(アニメ版だとそれが顕著)、(主にりーさんが)物資の管理もしていましたし、何より「学園生活部心得」という明確な規則も存在していました。

 それを踏まえると、

自堕落同好会は”規律”を失った学園生活部

といったところでしょうか。

さらに言えば、武闘派は”娯楽”を失った学園生活部

とも言い換えられると思います。

 

と、今巻では大枠では語られていましたが、まだまだ二つのグループ、特に武闘派は名前すら明かされていない人がいますし、今後メンバー個人についてどう掘り下げれられ行くのか楽しみですね。

 

 

・ほん(仮)

  第39話でゆきとみーくんがレポートを書くために図書館に行くのですが、そこで”図書館のヌシ”と呼ばれる女性、リセに出会います。

彼女は図書館で寝泊まりするくらいの読書家なのですが、

そこで交わされるセリフが印象的。

「私はこの図書館の本を全て読むのが夢なんだ。」

「私はね、世の中の素晴らしい本は全て読み通したいんだ。」

「世の中に自分が読んでいない素晴らしい本があると思うと、胸がくるしくなる。」

「でもね 困ったことにどれだけ本を読んでもすぐ新しい本が出てしまうんだ。」

「だからね 私はこうなって少しだけ安心してるのさ」

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「本好きにとってはいい時代だよね」

 

...と、”かれら”発生を肯定的に受け入れているどころか楽しんですらいる。

リセの夢である「図書館の本を全て読破する」ことを阻害する要因がなくなったのだから無理もないのだけれど、そんな彼女の様子があるキャラクターと重ならないでしょうか?

そう、現実逃避していた頃のゆきです。

リセの「新しく本が増えることのない」ことに対する安心感はある意味未来の否定であり、

図書館に篭りっきりで本を読む生活はある意味での現実逃避とも言えて、その様子は

どこか高校時代の、事件前の過去の日常を生きていたゆきと重なる。

それをゆきとみーくんは「本は好きだけれど、やっぱり続きは見たい」と否定(現実逃避していたゆきと独りで生きていたみーくんがというのもポイント)し、

今話終盤にみーくんがリセに卒業アルバムのコピーを渡すことで、そんな彼女の考えを改めるきっかけを作るのだけれど、その構図が

”事件発生後に作られた本”を読むことでという形になっているのがまた面白い。

そして今話のリセの自己紹介から心境の変化の流れが、(アバウトではありますが)ゆきの巡ヶ丘高校の頃の心境の変化の要約になっているのも見逃せないポイント。

あと少々メタな見方ではありますが、リセのキャラクターはゆきとみーくんの特徴を混ぜたような存在としてメイクされているのかもしれません。だから彼女と出会ったのがその二人だったとも考えられますね。

 

 

・今後の展開のヒント

 

 ・りーさんとるーちゃん

 7巻ですっかりるーちゃんが元気になるのだけれど、それに呼応するようにりーさんもまた、体力をつけようとするくらいに元気になる。

るーちゃんの正体についてはこれを読んでいる人には自明であるだろうからしてあえて触れませんが、彼女が自発的にしゃべるようになったところから、りーさんの症状が悪化したことが元気になった要因のようですね。

その様子は(も)学園生活部設立時のゆきと重なります。

ということは次の変化はめぐねえの死をきっかけに幻覚を見るようになったのと同様に

るーちゃんの身に何かあったら...?

武闘派の動きが今後活発になるでしょうから、その時に何か起こるかもしれませんし、

りーさんについてはそこが注目ポイントになるでしょう。

 

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あと、るーちゃんの言動と行動はりーさんの本音であり、本当にしたいことという考察をtwitterのフォロワーが仰っていて思わず目からウロコでした。

 

 

 

・みーくんの選択

 

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サークルと部のみんなが”外の世界”に希望を見出す中、独り世界全域の国がほぼ壊滅状態だと知るみーくん。

さらに遠征組と居残り組で生活部がバラバラになるかもしれず、それにショックを受ける。

みんなが”外の世界”へ行こうとするのを彼女はそれを引き止める立場にいるのだけれど、その構図が圭とのモールでの生活のリフレインになっている。

ここでの行動が圭を引き止められなかった後悔を払拭するチャンスなのだけれど、果たしてみーくんの取るべき行動が、みんなと一緒にこのまま大学で生活し続けることなのか、それとも...?

この点も次巻の注目ポイントですね。

 

他にもシノウが子供を身ごもっていたり、高上の感染経路だったり、武闘派の「リソースは一元化しないとな」発言が個人的にツボだったりと色々他にも感想はあるのだけれど今回はここまで。

もしかしたらまた記事を作ってこの辺については書くかもしれません、未定ですけど。

 

 

 

 

 

 

・オマケ

 個人的に一番好きなコマ

 

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みーゆき可愛い(*´꒳`*)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・巻末資料

 今巻の巻末資料は自堕落同好会のサークルノート。

そこにはサークル設立からトーコたちが何をして生活していたのか、アキが途中から武闘派から抜け出して入部したことなどが書かれている(遊んでばっかりだけれど)。

そして、その中で設立時からいるメンバー、スミコが失踪したことも読み取れるのだけれど、ノートを読む限りでは彼女をサークルのメンバーは”誰も”本格的に捜索していない、それどころかあまり心配もしていない様子。

それもそのはずで、上でも解説したが、自堕落同好会は”ゆるく、強制しない”サークルなのだから、抜けるも入るも自由なのだし、当然メンバーの繋がりも”薄い”のだ。

この点は家族のような関係性を構築していた学園生活部とは決定的に異なるし、このノートの内容を部のメンバーが知ったらおそらく確執を起こすだろうと思われる。

...、想像のしすぎか(笑)。

 

 

 

 

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