ラプラすの空き間

観て、読んで、書いて。

がっこうぐらし!第3話 「あのとき」 感想

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 前回はこちら

lapluswitch-b.hatenablog.com

 

 

 

脚本:桜井光
絵コンテ/演出:木野目優

 

僕は生まれつき喘息持ちなので元々肺が弱いのだけど、 何だか最近いつにも増して調子が悪い。

しかもたまに手が震えるときたもんだ、もしかしたら僕は"あいつら"になってしまうのかもしれない。

そう考えると何だか怖くなってきた。まだ死にたくない!せめて綺麗に生きて、綺麗に死にたい!!お願いめぐねえ、助けて!!!

…、ところで"あいつら"っていったい何!?

ってなわけで今回は物語の始まり、仮面ライダーWで言う所のビギンズナイトに当たる(夕方だけど)3話だよ☆

今回はちょっとシリアス成分高めな回になってます。

 
いつもはいくつかテーマを設けているのですが、3話はせっかくアニメオリジナル要素が強いのですからテーマを絞って主にそこについて書きます。
1、2話でちょっと書き辛かったのもあるのですが...w
 
 

 

 
 
・めぐねえの認識
 
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「これは多分、遺書だ。
少し落ち着いた。
まだまだ予断は許されないが、少しだけ余裕ができたので思ったことを書いておこうと思う。
私は佐倉慈。私立巡ヶ丘学院高校国語教師だった。いや、国語教師だ。
たとえ、すでにここが学校として機能していなくても。
あの日、放課後の屋上で私は初めてそれを認識した。
いいえ、本当はそれよりも前。
あの日、私が何かの兆候をはっきりと感じたのはいつだっただろうか。」
 

  

と、いつもと少し髪型の違うめぐねえが雨の中部活動日誌(遺書)を書くシーンからスタート。冒頭から不穏な匂いがプンプンですね。
なんだか文がぶつ切りなのは所々端折ってるからでしょう。何せ原作だと11pもあるし全部やるとめぐねえがもう………ネタバr.....、ゲフンゲフン。
というか「これは多分、遺書だ。」なんて言ってる時点でもう….....、ゲフンゲフン。
で、この文がさす”それ”は”あいつら”のことなのだけど、端折ってることを無視すると"めぐねえが自分が教師であること"とも読めるのが面白い。
じゃあ何で学園生活部のみんなに慕われているのか(みーくん含む)、
めぐねえがどんな人だったのか、何故自分が先生であることに自信をもてなかったのか、そして何故巡ヶ丘高校の国語教師だと自覚できたのか、今回の回想シーンで"あいつら"の登場を交えながら語られるのが今回の大まかな内容。
もっと雑に言えば、めぐねえの回。
 
 
 ・めぐねえは教師に向いていない
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「心配してくれてるのは分かる。先生なんて向いていないって、母さん言っていたものね。教職課程を選んだ時も、教員免許を取った時も。」

 

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 「教師に向いていないとまでは言いません。しかし、生徒との距離感を間違えてはいけませんよ。"友だち感覚"といえば聞こえは良いかもしれませんが。」
 
と、Aパート序盤から教師に向いていないことを母親はおろか、教頭にまで言われている。
そんな、母の制止を振り切りって教師の道へ進んでいるのだからよっぽど情熱を持っていたんだろうけれど、教頭に面と向かって言われると流石に落ち込むよね(´・ω・`)。
 

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ここの信号の描写も、めぐねえの心の迷いを暗示しているのかも。(もっと深読みすると、”あいつら”の危険を知らせている、引き返せという意味にも捉えられる。)
 
隣の席の英語教師の神山先生(実はアニメオリジナルキャラだったりする)に「うちの教頭は新人の先生にはいつもああだから」とフォローされてるところからしてめぐねえはおそらく新卒なのだけど、いきなり高3の担任を受け持つ辺り結構秀才のエリート組なのかもしれない。家も一人暮らしとはいえ割と広そうだったし人生の勝ち組感が半端じゃない。
そう考えると、実はめぐねえにとって初めての挫折だったのかもしれないですね。
めぐねえが教師に向いていないと言われたその理由は"友だち感覚"。
ただ彼女自身は「めぐねえじゃなくて、佐倉先生。」と口すっぱく言い続けていたし、生徒と教師の距離感を過剰なくらいに意識してはいるし、どっちかというと生徒の方から近づいてるような気がしないでもない、だって新人だし。(ぬるオーラも漂わせているし
それにしてもめぐねえの服装、スーツ姿の教師ばかりの職員室だとやっぱり浮いてるよね…w
 
 なのだけれど、そんなめぐねえの悩みの種である”友だち感覚”が由紀とくるみの救いに。
 
 
・友だち感覚 
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「テストは好きじゃない。でも、めぐねえと一緒にいるのはそんなに嫌いじゃないよ。」

 

 ”あいつら”登場前の由紀は(あの帽子)という蔑称でいじめられていた様子。

1話で仲良く話していたチョーカーさんの取り巻きは、実は由紀が一方的に友だちと思っていただけで、そもそも友だちと呼べる人間もいないようですね。
そんな由紀にとってフランクに接してくれるめぐねえは心の支え。
「じゃあ、一緒に頑張ろうか。」
めぐねえも気づいてはいる。陰口程度なので教師の立場からあまり口出しできないのかもしれない。
もしかしたら由紀に優しく接しているのはそのことに気づいてるからかも...。
 
そんなちょっとした変化に気づけるところがくるみちゃんの助けにも...
 
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「うん、話したらちょっと落ち着いた。何でだろう、こんな話、他の誰にも言えないけど、でも、めぐねえには言えるっていうか…いつもありがとう。」

 

くるみちゃんの場合、2話を見る限り陸上部に友人がいるので境遇は由紀とは違うのですが、「めぐねえくらいしか相談できる相手、いなくて」と恋愛相談なんてプライベートな悩みを教師に打ち明けてるくらいなので彼女も多分多くはない。

 (あまり関係は無いのだけれど、公式アンソロジーで実はくるみもいじめられていたという設定の話がありましたね)

それくらいめぐねえは心を開きやすい存在なのでしょう。

親身になって相談に乗ってくれるしね。

 

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「私向いていないのかもしれない、先生。でも。」
 
2人のやり取りを通じて、(おそらく)良しとする生徒を善に導き教化するという意味での教師ではなく、あくまで他人と親しく接する存在としての先生であってもいいのではと めぐねえ自身もまた自信をつけるのですが…。

と、ここでいい話で終わらないのががっこうぐらし!。

心あたたまるような話はフリと言わんばかりに落としにかかる。

 

 
・”あいつら”の登場
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 Bパートに入り話の舞台が教室から屋上に。
学校はおろか街全体がパニック状態に。
それにしてもニュースで報道されてから半日と経たずに都市機能が停止するほど被害が(パンデミックとはいえ)広がることなんてあるのでしょうか。
この点については今回の話から脱線しますし、何より文量が多くなるので各話感想を12話分書き終わった後に書きます(果たしていつになるのやら...w)。
めぐねえ自身も混乱しながらも何とか生徒を守るために奮戦するのだけれど…
 
 
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個人の力でどうにかできたわけではないけれど、
くるみちゃんに”あいつら”となった先輩を殺めさせてしまい、
りーさんの協力がなければ"あいつら"の侵入を許していた。
特にシャベルで刺してしまうシーンは相手が初恋の相手だっただけに、映像も相まってかなりショッキングなシーンでしたね。
(ちなみにここのシーンは「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」のオマージュだそうで。円盤2巻のブックレットでも作品自体には触れてはいないですが、シーンについては言及されています。気になる人は買ってね。)
 そんな生徒(後の学園生活部)を不安がらせてしまったからなのか、自分以外に彼女たちを守る立場の人間がいないからという責任感を感じたからなのか(後者の側面が強いように感じるけれど)、
おそらく教師としての務めを果たすとはっきり決めたのはこの直後なのかなと個人的に思っています。もしかしたらこの時点で死ぬことの覚悟もしていたのかもしれません。
その覚悟の表明として髪を切ったというのは少し邪推が過ぎるでしょうか。
 
 
 
 
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 「多くが、命を失った。生徒達も、教師達も。この学校にはもう、あの子達しか残されていない。いつか、助けが来ることを信じて。生きている限り、みんなを守りたい。私は教師なのだから。」

 

めぐねえが”先生”ではなく”教師”だと自覚したのも ポイントだと思います。

今回、日記(遺書)の下りでのみめぐねえは教師という言葉を選んでいて、回想ではほとんど先生という言葉を使っているんです。

多分この下りでの教師も意味合いは本来のものとは違うでしょう。おそらく大人という意味合いに近いと思われます。

それならなおのこと”先生”という言葉の方が適切だとは思うのですが、きっと海法先生のことでしょうからちゃんと意味はあるでしょう。(ここの意味については今はお手上げ。もしかしたら文体と口語体の違いでしかないかもしれないし、そもそも深読みのしすぎかもしれない。)

そんな最後までみんなを想っていためぐねえが2話で由紀を助け、今回の室内キャンプの下りで学校の見回りをするというのは彼女の願いが叶っているというか、皮肉というか。 f:id:lapluswitch:20151120173105p:image
 
 
それにしても...
今後どこかでめぐねえが教師を志すきっかけとなった出来事なんて語られないですかね。OVAとか!OVAとか!!
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
・オマケ 
 
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肉体的スキンシップという表現、なんだか趣深いですね..。ああ良きかな、良きかな...///

 

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 ©Nitroplus海法紀光・千葉サドル・芳文社/がっこうぐらし!製作委員会